海辺の小さな町、Savonaで食べるイタリア料理
ミラノからフランス方面へ行く電車で2時間半の距離にあるリグーリア州サヴォナ市。イタリアの北西部に位置する美しい海岸地域です。
小さな港町には、どこか懐かしい雰囲気の町並みと歴史的な建物があります。そこでは、古き良きイタリアの温かい人たちが集まり、素朴で美味しいリグーリア料理を提供しています。
今回は、リグーリア海に面した海辺の町サヴォナに1週間ほど滞在し、私が味わったイタリアンをご紹介します。
リグーリア州サヴォナとは
リグーリア州の州都ジェノバから車で約45分、フランスのニースまでは1時間40分ほどの距離にサヴォナ市があります。人口は約6万人の静かな町。
市内には、中世に建てられたプリアマール要塞(Fortezza del Priamar)、ブランダーレ塔(Torre del Brandale)、システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)など歴史的な建築が佇んでいます。クルーズ船が出発する港、ビーチは設備が整った有料エリアと無料のエリアに分かれ、穏やかで綺麗な海岸エリアもあります。
歴史的中心部の狭い通りを歩くと、おいしい伝統的なリグーリア州のリストランテが多く見つかります。手頃な価格で存分に旬の食材を味わえるのが海辺の小さな町の魅力です。
リグーリア州サヴォナの伝統料理
サヴォナは、海や山など自然の美しさに富んだ地域であり、家庭のテーブルにたくさんの美味しさと華やかさをもたらしてくれます。この地域の料理は、新鮮な海の幸と地元の食材を活かしたシンプルで風味豊かな料理が特徴です。
リグーリア州の郷土料理でもあるフォカッチャから、うさぎの肉を使用した伝統料理、海と山の恵みをふんだんに使用した美食を味わうことができます。
■アンティパスティAntipasti
モシャメ・コン・ブラータ|Mosciame con
burrata
リグーリア州のMosciameは、マグロの切り身を塩漬けにして天日乾燥させた伝統的な保存食です。
見た目は、焦げた小さな丸太のようで長く保存すると硬くなります。 リグーリア州とヴェルシリアの漁師によって作られたと言われています。
プロシュートのように薄くスライスに切り、トマトと一緒にオリーブオイルで味付けするか、クロスティーニなどに乗せて食べるのが一般的です。ふんわり柔らかく、濃厚な味わいとソルティーさが特徴です。
パンゼロット|Panzerotto
南イタリアの代表料理ですが、海辺の町でも堪能できます。見た目は、カルツォーネの小型バージョンですが、オーブンで焼くのではなくオイルで揚げます。
主なフィリングは、トマトとモッツァレラ。皮をむいたホールトマトの水気を切り乾かして使用します。水分で生地が裂けてしまうため、ドライにしたトマトをフィリングします。
熱いパンゼロットの中には、とろりととろけるモッツァレラチーズが詰められています。
アッチューゲ・コン・パニッサ|Acciughe con panissa
アッチューゲフリットとひよこ豆のパニッサ。
リグーリア州の家庭料理でもあるパニッサ(panissa)は、ひよこ豆の粉にオリーブオイルと塩、水を混ぜてオーブンで焼き上げたり、フライにしていただきます。
サヴォナのパニッサは、薄くスライスしてサクッとした食感が特徴です。ストリートフードとして、パニッサを平たいパンに挟んで食べることもあります。パニッサはグルテンフリーでビーガンとしても人気です。
ひよこ豆の粉は、バカラの揚げ物にも使用されパリッとした衣に仕上がり、ヘルシーな揚げ物が堪能できます。
フォカッチャとパンケーキのようなファリナータ(Farinata)も、ひよこ豆の粉、水、オリーブオイルが含まれています。丸い銅鍋で調理されるファリナータは、その風味だけでなく非常に栄養価の高い食としても知られています。
クロスティーニ・コン・サルセ・ティピケ|Crostini
con salse tipiche
クリスピーに仕上がったクロスティーニと代表的なサルサ。
ドライトマトPomodori secchi、ルッコラのペストPesto alla rucola、アーティチョークCarciofi、パプリカPeperoni、サヴォナの新鮮な味が詰まった4種類のサルサをトッピングしていただきます。
■プリミ・ピアッティPrimi Piatti
トロフィー・アッラ・ジェノベーゼ|Trofie
alla Genovese
自家製のジェノベーゼは家庭ごとにアクセントの味が含まれています。
バジル、エクストラバージンオリーブオイル、松の実、ニンニク、ペコリーノ、パルメザンチーズ で作ったオリジナルのレシピに加えて、インゲンやジャガイモを加えたバージョンも。
トロフィーとペストは、リグーリア州で最も愛されている最初のコースの 1 つです。
スパゲッティ・アッロ・スコリオ|Spaghetti
allo scoglio
スパゲッティ・アッロ・スコリオはイタリアのシーフードのファーストコースで、スパゲッティとシーフードをベースにしており、実際のレシピではシーフード、ムール貝、アサリ、イカ、エビが欠かせません。
この料理は南イタリア発祥ですが、イタリアの海沿いの都市でも伝統料理として新鮮な魚介ブロースたっぷりのパスタが味わえます。地中海の香りが凝縮された一皿は、リグーリア州の白ワインとペアリングで楽しみます。
ニョッキ・ガンベリ・ズッキーネ|Gnocchi
zucchine e gamberi
味、香り、カラフルな盛り付けが特徴のファーストコースをお探しなら、ズッキーニとエビのニョッキがぴったりです。簡単なレシピではありますが素材の味と美しさはゲストを感動させます。
力強くも繊細な味わいのエビのブロースがたっぷりかかっているニョッキに、ズッキーニがアクセントになっています。
通常のニョッキよりも小さいサイズでエビも同じ大きさにカットされ、シンプルながらもエビの風味が食欲をそそります。
■セコンディ・ピアッティSecondi Piatti
コニッリオ・アッラ・リグーレ|Coniglio
alla Ligure
名前自体が示すように、リグーリアウサギはリグーリア州の古典的なメイン料理。
伝統レシピでは、リグーリア州の赤ワイン「ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア(Rossese di Dolceaqua)」、小粒のリグーリア産タジャスカ・オリーブ(Olive
taggiasche)、松の実を組み合わせてウサギの繊細な風味を引き立てます。鶏肉に似たさっぱりとした味わいが堪能できます。
フリット・ミスト・ディ・ペシェ|Fritto
misto di pesce
魚のミックスフリット。魚料理レストランで最も注文される料理の1つです。
夕暮れの海辺で食前酒として食べ、ストリートフードとしても食べ方があり前菜として注文するべきか、2番目のコースとして楽しむべきか迷いますが、大ぶりな魚が含まれているサヴォナの魚のフリットはメインとしていただきます。
ドライに仕上がって、カリカリとした揚げ物は、豊富な種類が溢れるほど盛り付けられています。Gamberettiえび、Acciugheアンチョビ、Triglieトリリア、Merluzzettiタラ、Cepoleセポール、Calamariイカなど、ストリートフードとは異なる大きめな魚が堪能できます。
ガンベローニ・グラティナーティ・コン・カポナータ|Gamberoni
gratinati con caponata di verdure
エビのグラティナーティと野菜のカポナータは、風味と彩りが豊かな海の主役をテーブルに提供するメイン料理。新鮮な大赤海老にバジルやガーリックなど使用した香草パン粉をまぶしてじっくりオーブンで調理してパリッと仕上げます。
香ばしいエビの香りとカポナータは、相性が良く見た目も鮮やかです。ホタテ貝やムール貝のバージョンもおすすめです。
海辺の町サヴォナ料理は伝統と創造がクロスしたキッチンの味
