ミラノのリストランテで楽しむ夏メニュー

イタリアには季節ごとのエッセンスを取り入れたさまざまな料理があり、夏が到来すると色鮮やかなアンティパストや涼しげなメインで溢れます。
香り豊かなメロン、眩しい太陽の下で育ったナスやズッキーニの花、紺碧の海で育った魚介類、サマータイムはイタリアの魅力的な美食が詰まっています。
新鮮な季節の食材を使用した料理を中心に、メロンの甘さと風味豊かなプロシュートを組み合わせた「プロシュート エ メローネ」、シーフードでは「フリット・ミスト」「タルタル」夏の定番メニューのほかオリジナルな一品が用意されています。
今回は、ミラノのリストランテで楽しめるサマーフードと暑い夏にぴったりなレシピをご紹介します。


ミラノで楽しむ夏メニューをリストランテごとにご紹介

パイに包まれたシーフードパスタ
夏料理の中心となる新鮮な魚介類。魚のグリルからシーフードパスタまで、リストランテのオリジナリティが発揮されます。

夏になると味わいたくなるサルデーニャのワインが揃う、ポルタ・ヴェネツア近くのリストランテ「Calaluna」。
マグロ、カジキ、サーモンのタルタル、カルパッチョ、生のオイスターやシュリンプ、ウニのパスタなどたっぷりのシーフード料理が用意されています。
「スパゲッティ・カルトッチョSpaghetti cartoccio」は、パイのように包み魚介のジューシーさを閉じ込めたシーフードパスタ。
カルトッチョは、紙の包み焼きという意味があります。
生地で覆われたプレートがテーブルに届き、中を開けるとたっぷりのシーフードが詰められ立ち上がる湯気から
一気に魚介の香りと旨味が漂います。包まれた生地とシーフードブロースを一緒に楽しめるのも人気の一つです。
■Calaluna 
Viale Piave, 38, 20129 Milano MI
https://m.facebook.com/profile.php?id=150435528335726


季節の味わいが楽しめるOggi限定メニュー
この時期、本日のメニュー「Oggi」には海の幸や季節の野菜、フルーツを使用した料理がリストに上がります。

夏野菜のナスとメカジキのマカロニパスタ(Maccheroncini con pesce spada e melanzane)は、シチリア料理のひとつ。
メカジキは、オリーブオイルで焼き色をつけて白ワインとトマトを追加します。ナスは、別にオリーブオイルで焦げ目を付けてからメカジキに加えます。
シチリアではアルデンテに茹でて水を切ったカサレッチェパスタを使用します。



続いて、アマルフィスタイルのバカラ(Baccala' all'amalfitana)。風味豊かなオリーブオイル、バルサミコ酢、甘酸っぱいトマトと一緒に。レモンと白ワインのフレーバーがあり、さっぱりしたヘルシーさは夏の暑さで食欲がなくても楽しめます。



ミラノ伝統料理コトレッタに、2つのたまごを乗せた(Con due uova al tegamino)というオリジナルコトレッタが堪能できます。とろりとした卵とコトレッタは日本人に馴染みやすいフレーバーです。



他にも、アンティパストには、タコとポテトのレモン添え(Polpo e patate all'extravergine e limone)、海老とシーアスパラガスの温サラダ(Insalata calda di gamberi e asparagi di mare)メインには、ブランジーノのズッキーニ花添え(Sfilettato di branzino ai fiori di zucca)などがあります。

■Pepe & Sale 
Via Monte Rosa, 20
https://pepesalemilano.it/



涼しげなヴィッテロ・トンナートVitello tonnato
薄くスライスした仔牛肉(ヴィッテロ)とマグロ(トンノ)で味付けしたクリーミーなソースを添えたピエモンテ料理「ヴィッテロ・トンナート」。
香味野菜を入れた鍋でヴィッテロを煮て、冷やしてから薄くスライスします。ソースは、ツナ、卵、ホワイトワイン、ビネガー、ガーリック、アンチョビ、ケッパーなど入れクリーミーに仕上げます。やわらかくジューシーなヴィッテロと、涼しげなソースが夏にぴったりです。



■L'Anlot
Via Raffaello Sanzio, 30
https://www.anloteoltre.com/



夏に食べたくなるストラッチャテッラ(Stracciatella)とシーフード
とろりとしたミルキーな味わいが特徴のストラッチャテッラは夏メニューに欠かせません。
アンティパストやメイン、ピッツァに添えられて提供されます。

3つあるブルスケッタの一つに、クリーミーなストラッチャテッラを溢れるほどトッピング。トマトとアンチョビは相性が抜群です。


バカラのフライにもストラッチャテッラが添えられています。さっぱりしたイエローダッテリーノトマトソースがバカラフライとストラッチャテッラの味わいを引き立てます。


しっとりした柔らかいタコ料理も楽しめます。たっぷりの野菜にタコを組み合わせたスペイン風の「ポルポ・アッラ・カタラーナPolpo alla catalana」。オリーブ、チェリートマト、トロペアオニオンをアクセントに、しっとりしたタコが魅力な爽やかな味わいが堪能できます。


■SCIUÉ Washington
Via Giorgio Washington, 52
https://www.instagram.com/sciue_lacucinainpizzeria/?hl=en



ピッツァの新スタイルPINSA
夏の暑い日は、ローマンスタイルのピンサとビール。
ナヴィリの川沿いを散歩した後に食事を楽しめるピンサ専門店。
ビールの種類が豊富にあり、アンティパストには、3種類のコロッケが堪能できます。
(Tris di Suppli fatti in casa sfiziosi Carbonara , Cacio e pepe e Amatriciana)
サクサクしたチーズのようなパン粉でコーティングした、カルボナーラ、カチョ エ ペペ、アマトリチャーナのジューシーなコロッケが堪能できます。


20種類以上あるピンサの中から紹介するのは、ソテーしたチコリ、アンチョビ、ストラッチャテッラ、イエローダッテリーノトマトをトッピングしたピンサ。ピッツァとフォカッチャがクロスした生地は、ふんわりした味わいが楽しめます。

■Romeo la Pinseria der Colosseo
 http://pinseriaromeo.it/


 家庭で作る夏メニュー
 イタリアの家庭は、クーラーがないことが多いです。
 家では窓を開け、カーテンを閉め、外からの風とファンで夏を乗り切ります。
 そのため、家で食べる食事も熱った身体を冷やすのに重要な役割を果たします。
 さらに、少ない食材で料理を組み立てる達人でもあり、食材を旬の時期に選んで最大限の風味を引き出しています。

ブラータを使用したひと手間かけたインサラータ・カプレーゼInsalata Caprese 
完熟トマト、モッツァレラチーズ、バジルの葉で作るインサラータ・カプレーゼは、シンプルさと素材の良さが際立つ夏の定番料理です。 
ときには、手間をかけてモッツァレラの代わりにクリーミーなブラータもしくはブッファラ、トマトをローストして風味を加え、トーストした松の実を飾ります。すべての風味を高めるために、最高のオリーブオイルとバルサミコ酢をかけていただきます。

 パルミジャーナParmigiana
 ベジタリアンラザニアのような「パルミジャーナ」。 
材料や配合方法にはいくつかのバリエーションがあります。
旬の野菜ナスをスライスして揚げてからトマトソースとモッツァレラチーズ、バジルを重ねてパルメザンチーズをトッピングしてオーブンで焼き上げます。
簡単にできて夏の家庭でゆっくりとした夕食にぴったりの一品です。

 カポナータCaponata
 イタリアのラタトゥイユ「カポナータ」は、太陽の光で甘くなった季節の野菜と、オリーブとケッパーのシャープな風味がバランスよく交わっています。
イタリア産の上質なオリーブオイルをかけて、サクサクのパンですくって食べます。
密閉容器に入れて冷蔵庫で保管して、そのまま食べても温め直しても美味しくいただけます。 


イタリアの季節の恵みで暑さを乗り切る
イタリア料理には季節のエッセンスを取り入れた料理があり、新鮮な食材は夏を乗り切る手段でもあります。 
イタリアでは気温が上昇すると、シーフードやフライ、季節の野菜を求め、涼しさを求めてジェラートやグラニータ食べて、食後には冷えたリモンチェッロを一杯楽しみます。
 暑い夏の日は、イタリアのサマーフードを取り入れ、ディナーの後はジェラートを手に夜風を感じながら散歩をしてイタリア流の涼み方をご堪能ください。